クスリの臨床試験のお話し

クスリの臨床試験もとてもグレーかつ、ビジネスとして成り立っているお話し。クスリの効果ですら作られているかもしれないという事。。。

下記は藤川徳美医師のFBより抜粋

薬の臨床試験はいかにして歪められたか

「すべての不調は自分で治せる」より

 製薬メーカーからの資金提供については、私だけではなく多くの方が問題視されているはずです。2007年発刊の『ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実』にも次のような指摘がありました。少し長いですが、一部抜粋いたします。

医学部や教育病院などの非営利機関は自らを製薬会社の「パートナー」と考えはじめるようになった。そして自身の研究成果を利用して、金儲けをする機会をうかがうだけの商売人になってしまった。大学の研究者は、自らの研究に特許を取るように奨励され、特許使用料の分け前にあずかっているのである。医学部と教育病院の多くには、この動きを促進し研究結果から利益を得るため、「技術移転事務局」が設置された。1990年代、研究者の間で起業家精神が育まれるにつれ、医学部の研究者は自らの所属施設の動きをまねて、製薬会社との間でさまざまな形で金になる取引をするようになった。その一つは、医学研究で製薬会社寄りに結果を捻じ曲げて報告するというものである。こんなことはかつては見られなかったことなのに、研究者の間にすっかり蔓延してしまった。以前には清貧に甘んじていた研究者たちも、筆者の祖母の言葉でいうなら、「おまえはそんなに頭がいいのに、なぜ貧乏なの?」と自問自答するようになったのである。
医師は患者に投与する薬をどのように決めているのだろうか。(中略)残念なことに、一部の医師は製薬会社のマーケティングにまんまと乗せられて薬を選んでいる。しかし、多くの医師は、少なくとも一部は偏りのない情報をもとに薬を選択している。医師たちは新しい研究成果を知るために医学雑誌を読み、学界の権威が科学的根拠からどんな結論を組み立てているのかを知るために教科書を読んでいる。そして、学会や医師向けの生涯学習コースに参加し、権威(オピニオン・リーダー)からじかに話を聞いたりもしている。権威の書いた教科書や権威の話というのは、最新の研究結果を拠りどころにしているにすぎない。権威の書いた教科書や権威の話は、彼らがもとにしている根拠より質が高いはずがない。そして、その根拠にしても医学雑誌に載っている研究報告を拠りどころにしているわけである。したがって、研究報告が歪められていないことが決定的に重要なのである。だが、果たして本当に結果は歪められていないのだろうか。
またしても、答えは「ノー」である。ほとんどの薬の臨床試験はその薬を製造する会社がスポンサーになって実施されている。製薬会社がスポンサーとなっているイコール、研究が歪められているという意味ではない。しかし、製薬会社は研究の実施や報告を少なからずコントロールしているのである。こうなったのは最近のことである。1980年代までは、研究者は自分の仕事に企業から資金を出してもらってはいても、おおむね仕事の内容は独立していた。当時は、製薬会社は大学の医療センターに資金を提供した後は研究には関与せず、その結果が上がってくるのをじっと待っていたのである。製薬会社は自らに都合のいい結果が出るのを期待していたが、そうなるようにする方法は知らなかった。製薬会社は研究者に対して臨床試験のやり方を、まったく指示しなかったのである。しかし、現在では製薬会社は研究デザインの決定、データの解析から、研究結果を公表するかどうかの判断まで、ありとあらゆることに口を出す。このようにして研究に介入することで、単に研究結果を歪めてきただけでなく、自分たちに都合のいいように結果をつくり変えてきたのである。もはや臨床試験をコントロールしているのは研究者ではなく、スポンサーである製薬会社なのだ。

 そうです。米国だけはなく、日本の医療業界の構造も同じなのです。昔からこのようなビジネス本位の構造だったわけではなく、1990年代くらいから様変わりしてきたといえます。特に精神医薬の場合は、グローバル化したメガ・ファーマのマーケティング戦略の影響下にあり、目に見える形の利益供与だけでなく、医学の知識を生成すること(例えば、病気として名前をつけるなど)にまで影響を及ぼしているとされています。
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卒後3~4年目だった約30年前、第3世代セフェム系抗生物質が製薬会社各社から一斉に発売となった。
確か8社くらい発売した。
各社は自社データを掲載したパンフレットを持ってきた。
どのパンフレットも自社の薬が他社の薬よりどれだけ優れているかというデータを示し、猛烈にアピールしていた。
これを見て、即座に”おかしいだろう、そんなわけないだろう”と思った。
製薬会社の自社データはこの程度のもの。
一緒に勤務していた内科医にそれぞれの薬の効果について聞いたら、”どれも同じだ”と言っていた。

そんな捏造データを作った製薬会社の研究者、自分のしたことをどう思っているだろうか?

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